
須知 義弘
マーシュ ブローカー ジャパン
金融機関が適切なリスク分散戦略を実施するためには、金融ビジネスと国際的なリスク環境を熟知した、経験豊富なリスクアドバイザーとの連携が非常に重要です。
マーシュのレンダーズ・ソリューションズ・グループは金融機関に特化した専門家チームの、知見と業界屈指の商品開発実績を活かし 、クレジット関連の保険ソリューションをストラクチャリング(組成)、シンジケーション、そしてプレースメントを行っています。マーシュは世界各国の経験豊富なリスクプロフェッショナルとグローバルネットワークを築き、クレジットおよびポリティカルリスク分野で業界有数の専門的知見を有しています。
世界各国で規制要件が大きく異なる中、マーシュは各国のリスク環境や規制要件に適合した保険ソリューションを組成・手配しています。マーシュ独自の強みを活かして、自己資本規制に準拠する資本枠の削減や信用リスクエクスポージャーの軽減、リスク引受アピタイトの向上を支援し、貴行の成長戦略をより確かなものにするお手伝いをしております。
ストラクチャードクレジット保険は、被保険者が返済義務を負う金額(元本および/または利息)の支払いを怠る、または支払いを拒否した場合に、約款で定めた事由に起因する損失額を補償し、貴社の事業を守ります。補償対象には、融資、保証、荷為替信用状など様々な金融債務が含まれます。
不払い保険(NPI:non-payment insurance) の契約において、不払いの原因となるリスクは、借り手の支払い不能から返済の妨げとなるポリティクスリスクの発生に至るまで多岐にわたります。保険金請求の根拠となる保険契約およびその他の取引事項に応じて、有担保、無担保、および貿易関連/非貿易 (運転資金)ベースで契約することが可能です。
加えて、新興国および先進国のいずれの場合においても、短期/中期/長期の時間軸で特定顧客に対して最も妥当性の高い条件で各種リスクを補償することが可能です。時として、売掛金の不払いに伴うストレス軽減の効果から「契約不履行保険」とも呼ばれています。
金融機関が回収不能リスクを民間 の保険会社へリスク移転する手法は、リスク分散戦略として確立されています。不払い保険(NPI)契約を締結すれば、借り手の不払いリスクを顧客単位またはポートフォリオ全体としてリスク移転(転嫁)することが可能です。
クレジット・デフォルト・スワップとは異なり、不払い保険(NPI)契約は契約の基礎となるローン債務に応じてカスタマイズされます。 マーシュは、バーゼルIII要件に適合する信用リスク軽減策としてNPI契約を締結するために必要な助言を行い、効率的な資本管理を目指す金融機関のニーズに応えています。
不払い保険(NPI)には、借り手に起因するリスクの軽減策として様々なアドバンテッジがあります。
マーシュはシンジケーションのパートナーとして、不払い保険(NPI)契約を通して、保険市場にリスク移転することにより、以下のようなアドバンテッジを提供します。
国内かグローバルかを問わず、政治的動乱や経済的不安定性、貿易制限などで支払い能力が毀損し得るビジネスパートナーを有し、その支払いに事業が依拠している全ての貸し手が対象となります。
たとえ前述の要因に大きな懸念を抱えていなくとも、ストラクチャードクレジット保険を手配すれば、取引先への融資余力が増加するため、借り手が競合他社から資金調達する状況を回避しやすくなります。
なお、ストラクチャードクレジット保険については、マーシュ記事『民間の貿易保険:取引信用保険、ポリティカルリスク保険、ストラクチャードクレジット保険の活用について』も参考にしていただければ幸いです。
マーシュ ブローカー ジャパン