取引信用リスク

国内および海外における取引はビジネス上の課題となってきましたが、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックによりその状況は深刻さを増しています。倒産や債務不履行のリスクが常に存在する中、取引信用保険は、補償を提供して取引を可能にすることで、企業がこれらの重大なビジネスリスクに対処する際の助けとなります。

2020 年のパンデミックにより、世界の取引環境は大きく変化しました。企業はこれまで以上に顧客の倒産や債務不履行といった潜在的なリスクを慎重に検討する必要があります。

こうした予測不能な経済サイクルの中で、グローバル市場での持続可能な成長を実現するため、安全性を確保しながら、一貫して成果を上げることがビジネスに求められています。そのような中、取引信用保険の後ろ盾があれば、企業は効果的にバランスシートを守ることができます。

マーシュのグローバル取引信用チームは、お客様の売掛債権リスクの管理に役立つさまざまな金融ソリューションを提供します。そして、売掛債権の不払いから生じる潜在的な損害に関する信用リスクおよび保険手配の大手アドバイザーとして、主要保険会社と強固な関係を構築しており、信用リスクに関する補償内容が費用対効果の高いものとなるよう交渉します。また、各国現地およびグローバルの専門サービスチームは、お客様の取引信用プログラム運営においてコンプライアンスを遵守し、一貫したサービスを提供します。

先行き不透明な経済環境下でのビジネス成長と競争力強化に向けて

新型コロナウイルス感染症に起因する経済危機により、あらゆる業界の企業が難題に直面しています。多くの企業で売掛債権に対する支払遅延が数多く発生しており、キャッシュフローの問題が生じたり、取引先への不安を抱えたりしています。

180日以上未払いの売掛債権が発生し、将来的な回収を期待して支払いを待ち続けている企業も多いことでしょう。しかし残念ながら、主要な信用保険会社は今後倒産件数が大幅に増加し、回収不能リスクがさらに高まっていく可能性があります。

このような先行き不透明な状況下、支払遅延の増加により、多くの企業のキャッシュフローが打撃を受けています。

取引信用保険はどのように役立つのでしょうか?

潤沢な手元資金と取引先に関する信頼性の高い情報が確保できていれば、危機においても競合他社より優位に立ち、強固かつ収益性の高い企業として勝ち残ることができるでしょう。

取引先の倒産や(輸出の場合は)仕向国の政治的な事象等により代金が回収できなくなってしまった場合、貴社のキャッシュフローや収益に甚大な被害が出る可能性があります。取引信用保険を活用すれば、そのようなリスクをできる限り回避しながら、より多くの製品やサービスを既存顧客・新規顧客に販売することができます。

国境を越えてビジネスを拡大していくにつれ、取引先からタイムリーな支払いを受けることも難しくなっていきます。また、新興国の急速な成長や競争の激化により、顧客側にとってより有利になるような支払条件への要求も増えています。そのような中、残念ながら、顧客側が支払いを行わなかったり、遅らせたりするといったことが頻繁に発生するのが厳しい現実です。

回収不能による不測の損害から売掛債権を保険で守ることはビジネスで生き残る上で非常に重要です。そうすることにより、予測不可能な景気サイクルや不安定なグローバル市場においても、持続的・継続的にビジネスを成長させていくことができるのではないでしょうか。

取引信用保険のメリット

  • 売上の増加とマーケットシェアの拡大

取引信用保険を活用することで、回収不能リスクを低減しつつ、顧客への与信販売を拡大することができます。期待できるのは、新たな地域への進出を加速させたり、L/C等への依存度を少なくさせたりすることです。も期待できます。

  • 資金調達

取引信用保険が付保された売掛債権は金融機関から融資を受ける際に担保として認められることがあり、企業の成長をサポートするための追加資金の調達手段となる可能性があります。

  • 株主価値の向上

多くの上場企業は、収益力を伴う高い成長を実現するための戦略的ソリューションとして、またバランスシート上の重要資産の一つである売掛債権に対して保全手段がとられていることを株主に対して保証するために、取引信用保険を利用しています。売掛債権は総資産の40%以上を占めることもあります。

  • バランスシートの保護

倒産や不払い、政治的な事象等に起因する、取引先の債務不履行による損失を軽減します。

適切な取引信用保険を選ぶために

お客様のビジネスニーズに合った、競争力のある条件で適切な取引信用保険を手配するためには、お客様の所在地のマーケットや業界について熟知した経験豊富なリスクアドバイザーに相談することが重要です。

貴社のビジネスを支援するグローバルネットワーク

マーシュのトレードクレジット・プラクティス(取引信用保険チーム)は52カ国に約400名の取引信用保険に精通した専門家のネットワークを有し、各国の文化、言語、規制、業界慣習、経済状況を深く理解した専門家が、信用保険によるソリューションを提供することで、企業の売掛債権管理を支援します。グローバル企業に対しては、グローバルクライアントグループ(Global Client Group)チームが国境を越えた取引信用保険プログラムの構築をサポートします。

長年にわたる信用保険会社との信頼関係

保険会社との長年にわたるグローバルでの関係性を活かし、マーシュの取引信用保険チームは貴社の売掛債権へのカバーを最大化するような保険プログラム構築を支援します。また、マーシュのグローバルサービスチームは、現地の法令を遵守し、保険契約者に寄り添った保険金請求支援サービスを提供します。

業界で定評のある信用保険チーム

マーシュは、保険仲介と革新的なリスクマネジメントソリューションのグローバルリーダーであり、グローバル・トレード・レビュー誌において、2020年に「ベスト・クレジット・アンド・ポリティカルリスク・グローバル・ブローカー・アワード」、2021年に「リーダーズ・イン・トレード・フォー・サステナビリティ・アワードを受賞しました。

よくある質問

取引信用保険は、顧客から商品やサービスに対する支払いがない場合に補償を提供し、企業の売掛債権を保全します。また、新規顧客および既存顧客に対してより柔軟な支払条件の提供(但し、通常は 12 ヵ月以内の短期)を可能にし、売掛債権を担保とした追加的な資金調達の可能性を高めます。

取引信用保険は、企業、金融機関、その他決済条件に基づき商品やサービスを提供するあらゆる事業体を対象としています。倒産、長期的な債務不履行、政治的な事象など保険対象となる事象の直接的な結果から生じた経済的損害に対して補償を提供します。取引信用保険は与信管理の一部を効果的にアウトソーシングするためのツール、もしくは与信管理戦略の一環として、信用リスクを保険会社に移転するためのツールと言えます。

取引信用保険は、規模、業種、その取引が国内、輸出、またはその両方であるかを問わず、あらゆるタイプの企業に適した有益な保険です。企業、金融機関、その他決済条件に基づき商品やサービスを提供するあらゆる事業体は、取引信用保険の加入を検討すべきであると言えます。取引信用保険の活用により、国内での債務不履行に加えて、海外の取引先による債務不履行からも会社を守ることができます。前金や即金以外のビジネスを行っている企業にとって、取引信用保険は、事業活動の拡大に伴い増えていく企業の資産を守るものです。

一般的に取引信用保険を採用する企業には、製造業や商社、サービス業などがあります。

現代では各国間の国際取引が世界経済を生み出し、動かしています。商品やサービスの商流や価格は、次のようなさまざまな要因から影響を受ける可能性があります。

  • 世界的な出来事:長引く新型コロナウイルス感染症によるパンデミックで、多くの商品やサービスの生産や提供が遅れたり、縮小したり、さらに中断も生じています。

  • 為替レート:通貨高の恩恵を受ける純輸入国、通貨安の恩恵を受ける純輸出国に対して、為替レートは大きな影響を及ぼします。

  • 貿易障壁:例えば、国内産業を外国との競争から守るために政府が課した輸入制限や関税などがこれに該当します。

  • 地政学的安定性と政情不安:国内および国境を越えた紛争や戦争が、取引のルートや輸送を混乱させる可能性があります。

  • 輸送費:原油価格など、多くの要因から影響を受ける可能性があります。

取引信用保険は、被保険者である企業の取引先が、その正当な債務について支払いを行わない場合に備えるものです。通常の場合保険による補償は、あらかじめ決められた特定の事象に対して適用されます。

信用保険会社は、一般的に以下の 2 種類のリスクを補償します。

  • コマーシャルリスク:財務上の理由(例えば、倒産手続きの開始や延滞債務不履行の場合)により、顧客が未払いの請求書に対して支払不能となるリスク。 
  • ポリティカルリスク:取引の当事者にとって制御不能な事象に起因する不払い。これには、政治的事象(戦争、革命)、災害(地震、ハリケーン)、またはある国から別の国への送金を制限する通貨不足などの経済的困難が含まれます。

取引信用保険は、お客様の新規および既存の顧客に対してより柔軟な支払条件を供与することをサポートします。これにより、以前はリスクが高すぎるとみなしていたケースでも、ビジネスを安全に拡大できるようになるかもしれません。また、海外への輸出のリスクも保全することができ、回収における不確実性を減らすことができます。

通常、取引信用保険を付保している企業に対して銀行はより多くの融資を行う可能性が高く、取引信用保険を契約することで、売掛債権を担保とした追加資金の調達がしやすくなります。顧客が倒産手続きを開始したり、単に期日までに返済ができない(またはその意思がない)場合でも、お客様のバランスシートは、事前に定められた縮小率(多くの場合、債権の75~90%程度)の割合で保全され続けます。また、事業内の他の用途で使用するための資本の確保や、貸倒引当金の削減にも役立つ可能性があります。

通常、企業は顧客ポートフォリオ全体に対する付保を検討しますが、これは最も一般的なタイプの保険契約となります。一方で、いくつかの選択した顧客、または主要顧客のみを含めるようにカスタマイズすることができる場合もあります。

信用保険会社は、企業ごとのさまざまな補償ニーズに対応できるように、幅広く柔軟な商品および約款を提供しています。お客様に適した補償内容を実現するためには、グローバルレベルのリスクや課題、および取引における金融ソリューションに関して経験と専門知識を持つ保険仲介業者と連携することが重要です。マーシュの専門家は、お客様固有のニーズの評価と深堀を支援し、最適な補償内容を選択できるようサポートします。

保険の補償内容は、次のようなさまざまな方法で設計が可能です。

  • 包括保険:最も一般的な契約形態であり、1つの保険契約で企業の売掛債権ポートフォリオ全体をカバーし、また国内取引と輸出取引を幅広く対象とすることができます。 

  • キーアカウント:お客様の主要取引先のみ、または大規模なリスクが存在するような、その他一定の基準によって定義された補償範囲(選択的な補償)を保険の対象とします。

  • シングルリスク:一つの取引先のみを対象とします。 

  • エクセスオブロス:一定の免責金額を設定することで、日常的に発生しているレベルの不良債権を上回る、主要取引先で発生した巨額損害、異例なレベルの損害をカバーします。

上記の保険契約はそれぞれ国内販売、輸出販売、またはその両方を補償することができ、地域ごと、または全世界を保険の対象とすることができます。輸出に関しては多くの場合、ポリティカルリスクの補償も含まれます。

これらのすべてのオプションにおいて、多くのケースで取引信用保険は手頃な価格で補償を提供できます。保険料は通常、保険対象とする売上の1%未満です。

取引信用保険は、変化する商品です。顧客に対して必要となる信用限度額は、ビジネスニーズの変化を反映して、そして保険期間を通じて変化していきます。マーシュは、保険会社との数多くの信用限度額の設定または増額交渉において、お客様をサポートして参ります。

この分野のプロフェッショナル

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大塚 達郎

マーシュ ブローカー ジャパン

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須知 義弘

マーシュ ブローカー ジャパン