M&A、投資ファンド、表明保証保険

M&Aは、新規事業の立ち上げや事業の多角化・国際化などの経営戦略を実践するうえで有効な手段である反面、ターゲット企業に内在するさまざまなリスクへの対処を誤ると、買収後に大きなトラブルを抱え込むことにもなりかねません。

資本の有効活用や事業成長の加速を追求する企業の多くは、M&Aを重要な戦略の一つとして位置づけています。しかし、M&Aに伴うリスクを適切に把握し対処することは容易ではなく、特に新たな市場や業種への投資においては難しい作業となるでしょう。そのようなリスクに対応するためのツールとして、表明保証保険(レプワラ保険という呼称もあり)の活用が脚光を浴びています。

表明保証保険は、90年代に誕生し、それ以降欧米で発展を遂げ、現在では世界中のM&A案件で活用されるようになりました。日本企業による表明保証保険の利用も増加してきており、2015年頃まではクロスボーダー案件での利用が中心でしたが、2019年頃からは国内案件での利用も見られるようになりました。但し、表明保証保険の引受審査は、外国人のアンダーライターにより行われるため、英文の資料をベースに、英語で質疑応答が行われ、証券も英文であるため、これらが日本企業への普及のネックになっていました。

そのような中、2020年以降は、国内の大手損害保険会社4社より、国内M&A取引向けの表明保証保険(国内M&A保険)が発売されています。国内M&A保険の一番の利点は、引受審査が全て日本語で行われるという点です。また、当然のことながら保険証券も和文で発行されます。

マーシュジャパンのプライベートエクイティおよびM&A部門(PEMA)は、企業、プライベートエクイティなどを含む投資ファンド、金融機関、インフラ投資家向けに、M&Aのリスク管理に有効なソリューションを提供しています。表明保証保険、国内M&A保険の取り扱いに加え、以下のソリューションについてもワンストップで提供が可能です。

  • リスク・保険デューデリジェンス(英語対応も可能)
  • 環境賠償責任保険・租税債務保険の取り扱い
  • クロージング後の損害保険・福利厚生保険プログラムの提案と取り扱い

マーシュ ジャパンPEMAはM&A取引における潜在的なリスクを洗い出し、分析することによって、リスクの管理を適正に行いながら取引がスピード感をもって実行されるよう、必要に応じて海外のチームと連携しながら、経験豊富なスタッフがお客さまをサポートします。

よくあるご質問

プライベート・エクイティは、常に以下のような日々進化するリスクにさらされています。

- 投資先の事業リスク
- 環境・社会・ガバナンス(ESG)面に関する投資家からの高まる要請
- サイバー攻撃の脅威
- 地政学的リスク
- 技術的適応力を高める人材マネジメント戦略の展開

コストの抑制、流動性の確保、資産の保全、人材の強化のため、プライベート・エクイティには保険とリスク軽減の戦略の最適化が求められています。

M&Aをめぐるグローバルなリスク環境は変化しています。各当事者が直面する課題には、以下のようなものがあります。

- 事業上のリスク:取引上の過失、コンプライアンス上の問題または事業に関わる様々な関係者の審査が適切に行われなかったことにより、財務的な損失を被る可能性があります。

- 環境、社会、ガバナンス(ESG):投資家からの高まる要請に対し、各当事者は、魅力的な投資先となるために、ESGへの取り組みを検討する必要があります

- 人材マネジメント:職場における文化の違いに対応し、各従業員が新たな技術に適応できるようにすることが、買収の成功における重要な要素となります。

- サイバーセキュリティのリスク:各企業が顧客とより密接につながることができるような新たな技術を導入するにつれ、サイバーの脅威も高まっています。企業はカスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)を提供するために新たな技術を導入するにつれ、増大するサイバー脅威に直面しています。

- 政策の変更:課税ルールの変更など、法令等の変化に常に対応することは困難であるものの、対応できなければ多額の罰金が科される可能性があります。

これらの課題を克服するためには、リスク軽減策を最適化し、進化を続けるリスク状況への対応を示唆できる保険アドバイザーの起用を検討する必要があります。

どのM&A案件においても、財務的な影響を伴う多種多様で複雑な問題に直面することがあります。デューデリジェンスや買収後のリスクマネジメントや保険のプランニングが十分に行われない場合、不測の事態や買収事業の不正確な評価につながる可能性があります。潜在的なリスクは以下の通りです。

- 保険コストの増加を買収後の予算に織り込んでいないこと

- 買収後の貸借対照表において自己保有するような損失に対する引当金が不十分、または計上されていないこと

- 売主の保険プログラムまたは補償内容に不十分な点がある

- 売買契約書に曖昧な点がある

これらの問題を把握し、数値化し、適切な引当金を計上することは、コストの効率化、価格交渉力の向上、よりスムーズで迅速な統合、より良い売買契約、そして想定外のコスト減少につながる。

当社は 豊富な経験を生かし、綿密なデューデリジェンスを行うことができる保険アドバイザーとして、これらの潜在的なリスクを特定し、障害となるような事項を、より良い状態に変えることで取引を成功に導くように支援いたします。

端的に言えば、合併や企業買収を行なおうとしている全ての企業にとって、保険によるセーフティネットが必要です。M&A取引を阻害し得る(または実際に阻害する)要因は多岐にわたるため、保険手配とリスクマネジメント計画は必須と言えます。

そうは言っても、このような認識を持ってM&Aプロセスに臨むことだけで成功が約束されるわけではありません。重要なのは、M&Aを成功に導いた実績のあるリスク専門家を起用することです。

保険会社は、プライベート・エクイティの抱えるリスクやその優先順位について理解を深めています。全ての案件にフィットする定型の保険というものは存在しないため、ポートフォリオを構成する事業やその他の資産に対して必要となる補償内容を選択しなくてはなりません。しかし、以下のようないくつかの保険は、プライベート・エクイティにとって特に有益であると考えられます。

- M&Aおよび取引リスク保険:取引を円滑化し、リスクを保険会社に移転させる保険。

- 表明保証保険:売主の表明保証違反に対するリスクから買主を守る保険。

- 税務リスク補償保険:顕在化している税務リスクや予期せぬ財務上のリスクに加え、取引の成功に影響を及ぼす可能性のあるその他の偶発的なリスクに対する保険。

- ポートフォリオ保険:ポートフォリオ全体のリスクマネジメントを集約した形での補償を提供。

経験豊富な保険アドバイザーは顧客のリスクに特化した保険プログラムを構築できるため、顧客は安心して取引を実行し、ポートフォリオを長期的に保護することができます。

資金調達、買収、投資先の管理開始から、売却や投資終了ステージまで、戦略的に設計された保険ポートフォリオ・プログラムは、プライベート・エクイティが財務的成功を収めるために役立ちます。
これらのサービスを活用することで、一連の投資サイクルにわたりポートフォリオの価値を向上させることができます。

- 資金調達時:包括的ジェネラルパートナーシップ賠償責任保険により、ファンドおよび投資のプロフェッショナルを投資業務固有のリスクから守ることができます。

- 買収前後の資本投入時:リスクと保険のデューデリジェンスを行うことで思わぬ危険を回避し、取引リスクの回避により取引の成立を可能にし、買収後の統合サポートでスムーズな事業の移行を実現します。

- 投資先の管理:保有期間中にリスク最適化およびロス・コストの削減戦略を実行することで、財務状況を向上させることができます。また、保険金請求対応に専門性を有するアドバイザーを起用することで、スムーズな保険金請求が可能となります。

- 売却時:売主によるリスクと保険のデューデリジェンスの実施により、潜在的なリスクを発見することができます。また、売主用の取引リスク保険を検討することで好ましい取引の結果を得られ、IPOとSPACの補償によりスムーズな売却が可能となります。

M&A・取引リスク保険は、他の包括的なリスクマネジメントソリューションと共に、ディールを成功に導くために不可欠な要素です。リスクと保険のデューデリジェンスサービスは、リスクの高い領域や潜在的な責任を特定し対処するために不可欠です。

また、国内外の複雑な税法に対応するため、租税債務を補償する保険は取引のリスク軽減に役立ちます。取引を成功させるためのソリューションとして、表明保証保険や租税債務保険があります。

ポートフォリオ全体をカバーする保険プログラムによる総合的なリスク管理を行うことで、コストを管理し、変動への対応が可能となります。適切な保険アドバイザーを採用することで、プライベート・エクイティはリスクに対して全体的かつ統合的に対応することができ、その結果、より良い投資効果を得ることができます。

ポートフォリオ全体をカバーする保険プログラムを利用することで、ポートフォリオ全体を一元的に見渡すことができるだけでなく、ポートフォリオ・リスクの定量化と管理がより適切に行われ、コスト削減、事業効率化、更には売却時の価値向上にも繋がります。

当社は、オルタナティブ・アセット・マネージャー、プライベート・エクイティ、インフラ投資家、その他この分野におけるプレーヤーと協働し、リスクの管理と資産の適切な保護に取り組んでいます。また、グループで購入する保険プログラムを活用することで投資期間中およびその後も購買力を最大化し、可能な限りコストを削減します。

プライベート・エクイティの資金力が増すにつれ、リスクも日に日に大きくなっています。この分野で活動する全ての企業にとって、保有するポートフォリオにしっかりと合った補償を得ることは非常に重要です。

さらに、プライベート・エクイティは、その業務に関して、一般市民や政府の規制当局から、より厳しい監視の目を向けられる可能性があります。たとえ、貴社が取引の確実性、安全性に自信を持っていたとしても、予期せぬ法律、規制、財務上の問題が発生する可能性があります。

当社のプライベート・エクイティ・チームを起用することで、リスク評価・管理・移転のソリューションを発展させ、リスクを可能な限り軽減した上で入札や資産売却を行うことができます。