2026年1月14日アジア
世界経済フォーラムは21回目となる「グローバルリスク報告書」を発表しました。リスク、再保険、人材戦略、資産運用、経営コンサルティングのグローバルリーダーであるマーシュおよび、世界有数の総合保険会社でありレジリエンスサービスを提供するチューリッヒ・インシュアランス・グループは “世界のビジネスリーダーは今後さらに深まる地政学的分断、および技術的・社会的課題がビジネス環境を複雑に形作る中、引き続き高まるリスクに直面している”とコメントを発表しています。両社は世界経済フォーラムの戦略パートナーであり、同フォーラムにおけるグローバルリスクのアドバイザリーボードメンバーです。
本報告書における調査回答者は、2026年の差し迫ったリスク上位5項目として「地経学的対立」、「国家間の武力紛争」、「異常気象」、「社会の二極化」、「誤報と偽情報」を挙げました。さらに短期(2年間)の見通しでは、「誤報と偽情報」、「社会の二極化」がそれぞれ第2位、第3位に上昇しました。
マーシュ リスク スペシャルティ プレジデント、Andrew Georgeは次のように述べています。
「深まる分断は、我々が直面する社会的リスクの核心にあります。社会の断片化や不平等から、健康やウェルビーイングの低下に至るまで、多面的なリスクが広がっています。これらの世界的リスクが深刻化する一方で、共有の課題に対応するために整備されたグローバル的な枠組みから、多くの主要国が後退しつつあります。その結果、分断が進んだ社会は社会的な不安定や紛争の危機にさらに追い込まれつつあります」
報告書は長期的な視点で新たなグローバル競争時代の到来を示しています。地経学的対立を除く33のリスクは、今後10年で深刻度が高まると企業リーダーらは予測しています。57%の回答者が今後10年を「荒れる(turbulent)あるいは嵐のような(stormy)」見通しだと予測しており、10年間の見通しは環境リスクとテクノロジーリスクが多くを占めています。
チューリッヒ・インシュアランス・グループ Life, Health and Bank部門CEO、Alison Martinは次のように述べています。
「主要国の経営層は年金や公衆衛生に深い懸念を抱いています。これらの不足は、労働者の健康や社会の安定を脅かすにもかかわらず、健康やウィルビーイングの低下、不十分な公共インフラや社会保障といった社会リスクが、10年以上ほとんど重視されていないのが目立ちます。これらの問題は長い間、世界で表面化しており、緊急性と協調をもって行動しなければ、次の将来を決定づける脅威が見過ごされる危険があります」
本報告書はまた、人工知能(AI)や量子コンピューティングの進展が労働市場、社会構造、インフラ、地政学に大きな影響を与え、世界的な経済格差を拡大させる可能性があると指摘しています。海底ケーブルの切断や人工衛星の妨害など、多様な脅威に晒される重要インフラは、近代化のための大規模な投資を必要とします。
チューリッヒ・インシュアランス・グループ 、グループ最高リスク責任者(Group CRO)、Peter Gigerは次のように補足しました。
「極端な異常気象、サイバー攻撃、地経学上の対立が脅威を増す一方で、重要インフラの寸断は今後10年の世界的リスクの中でわずか23位にとどまっています。これは非常に危険な見落としです。記録的な熱波で負荷のかかる電力網から、海面上昇で危険にさらされる沿岸都市まで、我々が依存するシステムのリスクへの備えや準備資金の多くは不足しており、重要インフラが機能しなくなれば、その他の多くのシステムが危機に陥ります。これらの脅威の相互連関性を認識し、次の危機が来る前にレジリエンス投資する必要があります」
Andrew Georgeは結びとして次のように述べました。
「AIや量子コンピューティングの進展は労働市場や地政学を急速に再形成し、個人の生活に変革をもたらし、健康と豊かさの向上や国家の未来に深い影響を及ぼしています。自動化と量子技術の進歩が飛躍的に加速する中で、政府と企業は雇用の再構築、市場の集中化、そして重要インフラやデジタルに対するシステミックな混乱の可能性といった課題に対処するために、協力しなければなりません」
マーシュとチューリッヒの見解は、世界経済フォーラムによる21回目の「グローバルリスク報告書」の調査結果に基づくものです。本報告書は約1,300名の専門家と11,000名のビジネスリーダーからの調査回答と、数百名の主要なリーダーへのインタビューを集約し、直近のリスク、短期的なリスク、長期的なリスクを評価しています。本報告書は世界経済フォーラムのニューエコノミーとソサエティ部門に属するグローバルリスク・イニシアチブによって作成されています。
• Andrew George: How can businesses navigate technology risks and opportunities in a competitive age?
• Peter Giger: Why critical infrastructure is a ticking time bomb
チューリッヒ・インシュアランス・グループについて
チューリッヒ・インシュアランス・グループ(以下「チューリッヒ」)は、150年以上の歴史を有する世界有数の保険会社で、200以上の国と地域で7,500万人以上のお客さまにサービスを提供し、業界をリードする株主総利回りを実現しています。
チューリッヒは「明るい未来を共に創造する」というパーパスを掲げ、従来の保険を超えるプロテクションサービスを通じてお客さまの支援とレジリエンスの構築に寄与しています。また、2020年よりブラジルの大西洋森林の再生と生物多様性の回復を支援する「チューリッヒ・フォレスト・プロジェクト」を展開しています。
チューリッヒはスイスのチューリッヒ市に本社を置き、63,000人以上の従業員を有しています。チューリッヒ・インシュアランス・グループ・リミテッド(銘柄コード:ZURN)はスイス証券取引所に上場しており、米国預託証券プログラム(銘柄コード:ZURVY)のレベルIに分類され、OTCQXにて店頭取引されています。当グループに関する詳しい情報はwww.zurich.comをご覧ください。
マーシュジャパン株式会社
広報 ヘレラ 純代
sumiyo.herrera@mmc.com