(*)以下このレポートでは表明保証違反等を「事故」、表明保証保険に基づいて保険金請求の通知を行うことを「事故報告」といいます。
本レポートでは、2017年1月から2021年12月までの間に、マーシュが全世界で手配した表明保証保険での1,100件超の事故報告のあった保険金請求事案についての分析結果をまとめたものです。.1 この対象期間において、M&A案件における表明保証保険の利用が飛躍的に増加したことに伴い事故報告のプロファイルが充実してきました。
また、この間我々は新型コロナウイルス感染症の大流行など、経済に影響を及ぼす未曾有の世界的な社会経済・政治情勢の変化を目にしてきました。
本レポートでは、グローバルおよび地域別の両方の観点から、表明保証保険の保険金請求に与えた影響に焦点を当て、今後の保険金請求告がどのように推移するかにつき概説いたします。
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マーシュのAPACの顧客は、表明保証保険を使い慣れてきており、リスクを保険会社に転嫁することのできるディールの円滑剤としての表明保証保険のメリットを認識してきています。補償の確保と実際の保険金の支払いという点でのこの保険の良さ、また保険会社での試行錯誤により確立された事故処理手続きにより、この地域のM&Aの特徴の一つとして表明保証保険の利用がさらに定着してきました。
事故に際し保険金の支払いを受けるためには、早期に事故報告を行い、損害額を立証する十分な証拠と共に十分整理された事故報告を提出することが有効であるとの認識が被保険者の間に浸透してきています。
近年、APACでの表明保証保険の契約件数が飛躍的に増加しています。2021年の保険金支払額は2017年の3倍以上となると共に、急速に保険金支払件数が増加していることが確認されました。