東京 2024年11月22日 |
保険仲介とリスクマネジメントの世界的なリーディングカンパニーであるマーシュが発表したマーシュ・グローバル・インシュランス・インデックス日本語版によると、2024年7-9月期(第3四半期)のグローバルベースでの企業向け保険料率は1%の低下となり、総合的な保険料率が低下したのは2017以来となりました。
この傾向はグローバル財物保険における保険会社間の競争の激化によってもたらされ、その結果、保険料率の緩和傾向が継続しています。
総合的な保険料率はパシフィック地域で6%の低下、英国は5%の低下、アジアは4%の低下、カナダは3%の低下、インド、中東、アフリカ地域(IMEA)は2%の低下、米国とラテンアメリカ・カリブ海地域は3%の上昇、欧州は±0となりました。
その他のトレンド
- グローバルの財物保険の保険料率は2%の低下:2024 年1-3月期に3%の増加、4₋6月期に±0%へ推移した後に、7₋9月期には2%の低下となりました。地域別で見ると米国、英国、カナダ、アジア、パシフィック地域、および中東、アフリカ地域(IMEA)では料率が低下しましたが、欧州およびラテンアメリカ・カリブ海地域では上昇となりました。最近のメキシコ湾のハリケーン発生前には、メキシコ湾、米国大西洋岸、カリフォルニア州などの災害多発地域に資産が集中している、あるいは直近に平均的な引き上げ幅を超える水準の料率引き上げを経験した被保険者は、概して平均以上の料率引き下げとなりました。しなしながらこの傾向はあくまで湾岸ハリケーン発生前のこととなります。
- グローバルの賠償責任保険は6%の上昇:過去7四半期は3%の上昇が続いていましたが、今期は6%の上昇となりました。これは主に、米国の裁判における高額訴訟を懸念した動きによるものです。
- グローバルの金融・プロフェッショナル分野の保険料率は7%の低下:9四半期連続で低下し、他の全ての地域でも同様の結果となりました。
- グローバルのサイバー保険料率は6%の低下:前2四半期と同じく6%の低下となり、他の全ての地域でも同様の結果となりました。サイバー保険以外の保険の契約にサイバーリスクの免責条項が含まれていることが多く、サイバーリスクによる物的損害や身体の傷害に対する、潜在的な補償の空白を埋める方法に注目が集まりました。
本報告書について、マーシュのマーシュ・スペシャリティ部門およびマーシュ・グローバル・プレースメント部門の統括責任者であるPat Donnellyは、次のよう述べています。
「2024年の第3四半期は2017年以来、7年ぶりに総合的な保険料率が低下し、主要な保険4種目のうち、3種目が下がるという顧客にとって好ましい進展となりました。マーシュでは、ハリケーンシーズンに北米で発生した、壊滅的な暴風雨が市場に与える影響を注視しており、今後も影響を受けた地域社会への支えとなるよう支援してまいります」
マーシュについて
マーシュはマーシュ・マクレナン(NYSE: MMC)の一員であり、世界有数の保険仲介およびリスクアドバイザーです。マーシュ・マクレナンは、リスク、戦略および人的資本の分野における世界的リーディングカンパニーであり、マーシュ、ガイ・カーペンター、マーサー、オリバー・ワイマンの4つのビジネスを通じ、世界130ヵ国以上においてクライアント企業にサービスを提供しています。マーシュ・マクレナンは、年間総収入230億ドル、総勢約85,000名以上のスタッフを擁し、未来への確かな視点を通じて、ビジネスを成功へと導くサポートをいたします。詳細については、marsh.com, LinkedIn、X をご覧ください。