2025年7-9月(第3四半期)
マーシュのグローバルベースでの企業向け保険料率は前年同期比で4%低下し、5四半期連続下落となりました。全地域の主要な保険種目において料率の引き下げが確認されました。
全体的に保険会社間で十分な保険引受余力と激しい競争が展開されたと同時に、再保険の保険料条件が保険会社にとって好条件であったこともあり、保険会社間の競争は激化しました。
保険会社は市場を揺るがすほどの財物損害をもたらす、北米ハリケーンシーズンを毎年注視しております。暴風雨が発生するシーズンは6月から11月末まで続き、この期間以外に発生することもありますが、確率は低くなります。2025年は暴風雨の発生は少なく、現時点で甚大なものはありません。
財物保険、サイバー保険、金融・プロフェッショナル分野の保険料率においては、各地域で低下しました。金融・プロフェッショナル分野の保険料率低下率は、過去13四半期のうち12四半期で1桁台半ばの低下率となっています。
米国では陪審評決による保険金請求金額の高さと頻度により、賠償責任保険の保険料率の上昇が生じました。エクセス賠償責任保険は、一般的にプライマリー保険よりも保険料率の上昇が著しく高くなりました。その上昇幅は平均的に前四半期よりもわずかに低くなりました。
米国以外の地域では、欧州で賠償責任保険の保険料率は1%上昇した一方、各地域では最大7%低下しました。これは、訴訟で米国のような高額な判決がないためです。今四半期に見られた賠償責任保険の動向は、予期せぬ状況の変化がない限り、継続する見込みです。
今は、長期にわたり継続的に保険料率が上昇した後の期間にあたり、保険会社間の競争が引き続き激化しているため、予期せぬ状況変化がない限り、今期のような傾向は継続すると予想されます。
この状況は顧客にとって、低い再保険料率だけではなく契約条件においても有利な環境であり、保険仲介会社と緊密に連携し、リスクの特定と引受意欲を再評価するとともに、既存の契約内容と比較して補償範囲が拡大できる領域を模索されることをお勧めいたします。
-John Donnelly マーシュ、グローバル・プレイスメント部門 統括責任者
マーシュのグローバル保険市場インデックスによると、2025年第3四半期のグローバルベースでの企業向け保険料率は4%低下し、7年間にわたって上昇を続けてきた保険料率は5期連続で低下しました。
保険市場の引受キャパシティは引き続き拡大し、新規・既存を問わず保険会社間の競争が促進されました。その結果、顧客にとって有利な条件と、より広範な補償オプションが提供されています。
保険会社間の継続的な競争の激化が要因となり、保険料率は全地域で低下傾向です。米国では、第2四半期の±0の上昇率に対して、今期は1%の低下を記録。パシフィック地域では、総合保険料率が11%低下し、最も大きな低下率となりました。
主要な保険種目のうち賠償責任保険を除くすべての分野で保険料率が低下、賠償責任保険は今期3%上昇し、前四半期には4%の上昇を記録しました。
多くの顧客、特にリスクプロファイルが良好な顧客は、競争環境を活用してより有利な条件、補償範囲を拡充させる交渉を行い、またキャプティブ自家保険といった代替リスクファイナンス戦略の検討を進めました。
グローバル保険市場インデックス:2025年7-9月(第3四半期)
*注: 本レポートの保険料率水準や保険料率の動向は、特に記載のない限りすべて平均値です。レポートの記載を簡易化するために、保険料の動向に関するすべてのパーセンテージを最も近い整数にしています。
本インデックスはマーシュ独自の指標であり、契約更改時の企業向け保険料率の変化を示しています。