2026年4-6月期(第2四半期)
堅調な業績や潤沢な資本、再保険コストの低下、運用収益の改善を受けて、保険会社間の競争が一段と高まり、保険料率の低下につながりました。
多くの市場では、保険会社は価格面の競争に加え、補償範囲の拡大や保険条件の充実、免責金額の引き下げなどを通じて、他社との差別化を図る動きも見られました。
市場環境は全般的に良好な状況が続いたものの、更改条件はリスクの内容によって異なりました。業種や地域、自然災害リスクの程度は、引き続き料率や保険会社の引受意欲に影響を与えています。
第2四半期の財物保険市場では、グローバルで料率が12%低下し、主要な保険種目の中で最も大きな下げ幅となりました。引受キャパシティが十分に確保され、保険会社間の競争も高水準で推移していることから、企業はコスト面と保険プログラム構造を改めて見直す好機となりました。財物保険は、多くの企業にとって、単一の保険種目の中で最も保険料規模の大きい分野です。
金融・プロフェッショナル分野(FINPRO)、およびサイバー保険も、世界的に引き続き料率の低下が見られましたが、その下落ペースは緩やかになりつつあり、より安定した価格水準に近づいています。FINPRO料率が小幅ながら上昇したのは、米国のみでした。
一方、賠償責任保険は、米国外では各地域で料率が低下したものの、米国での上昇を背景に、グローバルでは唯一、料率が上昇した主要な保険種目となりました。米国では、保険金請求の高額化や訴訟圧力の継続を背景に、引き続き大幅な上昇が見られます。上昇ペースに鈍化の兆しはあるものの、米国市場はなお厳しい状況にあります。
また、世界経済の先行き不透明感を背景に、多くの企業は保険料の低下による削減分をそのまま手元に残し確保しています。一方で、キャプティブの活用など、従来の保険とは異なる方法によるリスク対策への投資も続いています。
現在の市場環境は、北半球での深刻な暴風雨シーズン発生や予想外の大規模自然災害の頻発がない限り、当面継続すると見込まれます。こうした環境のもと、多くの企業は、保険料削減のみならず、補償内容の改善と、将来の市場変化に備えた、プログラムデザインの見直しを進めています。
-John Donnelly マーシュ、グローバルプレイスメント プレジデント
マーシュのグローバル保険市場インデックス(GIMI)によると、2026年第2四半期に、グローバルベースでの企業向け保険料率は6%低下し、前四半期の5%低下に続き、8四半期連続での低下となりました。
主要保険においては、賠償責任保険を除き、いずれも料率の低下が見られました。賠償責任保険は、保険金請求の高額化や訴訟圧力が引き続き高水準にある米国市場の影響を受けています。
料率の低下に加え、補償範囲の拡大、限度額の引き上げ、自己負担額(リテンション)の引き下げといった条件面の改善も多く見られました。引受審査は全体として緩和傾向にある一方で、自然災害、賠償責任リスクの深刻化、システミックリスクに対する注目は引き続き高い水準にあります。また、リスクごとの差別化は一段と進んでおり、引受条件はリスクの内容やリスク管理の状況によって、これまで以上に左右されるようになっています。
多くの企業は、良好な市場環境を活かして、保険プログラムのストラクチャーの見直しや限度額の引き上げ、補償内容の拡充を進めました。特に、リスク状況が良好な企業は、更改時により有利な条件を確保しています。
グローバル保険市場 2026年 第2四半期
*注: 本レポートの保険料率水準や保険料率の動向は、特に記載のない限りすべて平均値です。レポートの記載を簡易化するために、保険料の動向に関するすべてのパーセンテージを最も近い整数にしています。
本インデックスはマーシュ独自の指標であり、契約更改時の企業向け保険料率の変化を示しています。