2026年1-3月期(第1 四半期)
保険料率の動きは、引受キャパシティの拡大や、保険会社間の競争の高まりによって、主要な商品ラインで低下傾向が続いています。
本四半期におけるグローバル市場全体の財物保険料率は、顧客にとってより有利な条件と引受キャパシティ拡大により、前四半期と同様に9%低下しました。そのため、保険各社は補償範囲をさらに拡大し、より保険引受が複雑な業種や、競争が激化している中堅中小企業市場に注力をしています。
米国の賠償責任保険料率については、陪審評決による高額保険金請求を背景に、特異な状態が継続しており、特にエクセス賠償責任保険市場は料率が上昇傾向にあります。引受キャパシティは残っているものの、多くの保険会社は限度額を引き下げています。その他の地域の賠償責任保険料率は低下傾向にあり、特に米国に関するエクスポージャーがない企業に、その傾向が顕著です。
金融・プロフェッショナル分野の保険料率は、引き続き全体的に低下傾向にありますが、特定の業種においては引受基準がより厳格化されています。この傾向は米国および欧州の一部で特に顕著であり、その他の地域では穏やかな料率の低下が続いています。
サイバー保険料率は顧客需要の高まりとサイバーイベントの発生頻度が増加する中で拡大を続けています。新規にサイバー保険を購入する顧客および、既存の限度額を引き上げるケースが増加しています。また、保険金請求環境の安定化を背景に、保険会社の新たな参入も増加しています。
経済的不確実性の広がりとインフレ圧力を受け、多くの企業で、節約を重視した保守的な対応となった一方で、料率の低下を受けたリスク移転の拡大や、補償限度額の引き上げ、自己負担額(リテンション)を調整する傾向が見られました。
中東情勢の影響は、現時点では主に中東地域のリスクに限定されています。により航空保険、船舶・貨物保険、およびポリティカルリスクに関する保険料率は急上昇しており、引受キャパシティはまだ残っているものの、保険各社は慎重な姿勢をとっています。
全般的に保険料率は引き続き低下傾向を示し、契約条件の有利さも継続すると予想されます。お客様にはマーシュと緊密に連携し、リスク状況およびリスク許容度の評価、および、お客様に有利な市場環境を最大限に活用した、保険プログラムの見直しを行うことお勧めいたします。
-John Donnelly マーシュ、グローバル・プレイスメント部門 統括責任者
マーシュのグローバル保険市場インデックス(GIMI)によると、2026年第1四半期に、グローバルベースでの企業向け保険料率は5%低下し、7年間の増加を経て7四半期連続での低下を記録しました。
再保険会社の成長および、新規保険会社の参入による大幅な引受キャパシティ拡大と、保険会社間の競争の激化によって保険料率の低下傾向が継続し、顧客にとってより有利な条件、幅広い補償範囲の拡充を可能にしました。
保険料率の低下は、米国を除く各地域で見られました。米国では±0だった前四半期と比べ今期は1%の低下となりました。パシフィック地域では、保険料率の低下が最も大きく12%の低下でした。
多くの顧客、特にリスクプロファイルが良好な顧客は、競争環境を利用してより良い条件の交渉、補償範囲を拡充、キャプティブ自家保険などの代替リスクファイナンスを検討しました。
グローバル保険市場 2026年 第1四半期
*注: 本レポートの保険料率水準や保険料率の動向は、特に記載のない限りすべて平均値です。レポートの記載を簡易化するために、保険料の動向に関するすべてのパーセンテージを最も近い整数にしています。
本インデックスはマーシュ独自の指標であり、契約更改時の企業向け保険料率の変化を示しています。