2025年10-12月期(第4四半期)
米国の総合的な保険料率は±0の上昇率でしたが、他の各地域では大きな低下率となりました。
財物保険料率はグローバル市場全体で9%低下しました。米国は前四半期における9%低下に続き、今期は8%低下となり、今期の低下率が穏やかだった要因は、更改のタイミングによるものと考えられています。また、保険料率の減少幅が大きい自然災害関連案件の更改が少なかったことにより、レートの減少ペースは前四半期よりも緩やかになりました。
賠償責任保険料率はグローバル市場全体で4%上昇となり、前四半期の3%から上昇しました。各地域では保険会社間の競争により保険料率が低下しましたが、米国では今期に保険料率が9%上昇しました。これは陪審評決による保険金請求金額の高さと頻度によるものです。米国のエクセス賠償責任保険市場には新しい引受キャパシティが参入していますが、供給を超える需要がある状況です。
世界的に多くの顧客はリスクを自社で保持するために、キャプティブ自家保険の活用を拡大しており、この戦略は保険市場全体で見られる強い結果と連動するものですが、同時にキャプティブ自家保険の利用は、大規模な損失イベントに対する脆弱性を高める可能性もあります。
金融・プロフェッショナル分野の保険料率は、料率が±0であった米国を除く、すべての地域で継続的に低下しました。前四半期の歴史的な保険料率の変動は、より安定した低下に変わりバランスの取れた市場を反映しています。
サイバー保険市場は、顧客需要の高まりとサイバーイベントの発生頻度が増加する中で拡大を続けています。新規にサイバー保険を購入する顧客および、既存の限度額を引き上げるケースも増加しています。市場の拡大はリスクの高まりに対処するために、保険会社とその資本提供企業による資本増加によって支えられています。また、引受キャパシティの拡大により、保険会社間の競争が高まり、すべての地域で保険料率の低下をもたらしています。
保険会社間の競争は引き続き激化すると予想され、顧客は保険料率の低下だけでなく、契約条件においても有利な環境です。また、多くの要因の中で、再保険コストの低下が一因となる可能性もあります。保険料率の低下と契約条件の有利さについては、自然災害による大規模な損失などがない限り、引き続き低下傾向を示すでしょう。
お客様にはマーシュと緊密に連携し、リスク状況およびリスク許容度の評価を行うことを、お勧めいたします。また、変化する市場環境において、補償範囲の拡大についてもご検討ください。
-John Donnelly マーシュ、グローバル・プレイスメント部門 統括責任者
マーシュのグローバル保険市場インデックスによると、2025年第4四半期に、グローバルベースでの企業向け保険料率は4%低下し、7年間の増加を経て6四半期連続での低下を記録しました。
再保険会社の成長および、新規保険会社の参入による大幅な引受キャパシティ拡大と、保険会社間の競争の激化によって保険料率の低下傾向が継続し、顧客にとってより有利な条件、幅広い補償範囲の拡充を可能にしました。
保険料率の低下は、米国を除く各地域で見られました。米国では、前四半期の1%の低下後、保険料率は±0でした。パシフィック地域では、保険料率の低下が最も大きく12%の低下でした。
主要保険種目別では、財物保険料率がグローバル市場全体で9%低下し、パシフィック地域では14%と最も大きな低下率を示しました。金融・プロフェッショナル分野の保険料率はグローバル市場全体で4%減少し、米国を除くすべての地域で減少しました。米国では料率は±0でした。サイバー保険料率はグローバル市場全体で7%減少しました。
賠償責任保険料率は米国以外では全体的に低下し、ラテンアメリカ・カリブ海地域では±0となり、訴訟が少ない法的環境を反映しています。米国では、主に請求の頻度と重大さ、特に大規模な陪審評決に起因し、賠償責任保険料率が9%増加。エクセス賠償責任保険は、プライマリー保険よりも保険料率の上昇が高くなりました。
多くの顧客、特にリスクプロファイルが良好な顧客は、競争環境を利用してより良い条件の交渉をおこない、補償範囲を拡充し、キャプティブ自家保険や代替リスクファイナンスを検討しました。
グローバル保険市場における保険料率:2025年第4四半期
*注: 本レポートの保険料率水準や保険料率の動向は、特に記載のない限りすべて平均値です。レポートの記載を簡易化するために、保険料の動向に関するすべてのパーセンテージを最も近い整数にしています。
本インデックスはマーシュ独自の指標であり、契約更改時の企業向け保険料率の変化を示しています。