アジア地域は異常気象や気候関連の脅威に最も晒さらされており、企業は気候変動リスクへの適応のプロセスを進める過程で多くの課題に直面しています。
気候変動対策を全く講じなければ、2050年までにアジア地域のGDPは26.5%低下1する恐れがあり、主要インフラや農業生産、公衆衛生、経済などの各業界に広範な影響が及びかねません。
しかし、発展を遂げる東南アジアやアジア太平洋地域では、気候変動リスクへの適応に向けて2021年から2030年までに年間6,440億米ドルの投資が必要ですが、世界の適応ファイナンスを見渡せば未だに90%以上の資金ギャップが生じています。2
民間企業が果たすべき役割は極めて重要でおり、気候レジリエンスへの投資を通じて気候変動への適応に取り組むことをより強くコミットする必要がある一方で、民間企業は以下のような課題に直面します。
- 官民のステークホルダー間で、気候関連リスクへの認識が不足し、気候変動への適応対策の責任の所在が明確になっていない。
- データやモデリングが不十分なため、気候関連リスクの定量化や保険料算出に関する情報を十分に提示できない。
- 気候変動への適応対策に向けたファイナンスの事例を明確に示せない。