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2024年11月13日開催 日本の人事部「HRカンファレンス2024-秋-」開催レポート

今、人事が「GLTD制度」を知っておきたい理由 ~人材確保・定着に向けた戦略的な福利厚生!~

労働人口の減少は、人材獲得や離職防止施策の重要性をさらに高めている。人材確保・定着を図るために、福利厚生はどのように活用すればいいのだろうか。人事として押さえておきたいポイントを解説しながら、福利厚生制度のあり方や導入事例について語る。
Group of Asian business people team meeting in modern office working design planning and ideas concept

2024 年11月に行われた「HRカンファレンス」にて弊社が行ったセミナーの内容をレポートいたします。

日本の人事部「HRカンファレンス2024₋秋₋」の開催レポート

今、人事が「GLTD制度」を知っておきたい理由 ~人材確保・定着に向けた戦略的な福利厚生!~

労働人口の減少は、人材獲得や離職防止施策の重要性をさらに高めている。採用や育成の取り組み以外の面からも人材確保・定着を図ることはできる。そのひとつが福利厚生だ。では、福利厚生施策のどこに注力すればいいのだろうか。病気やけがなどで休職した従業員の給与の一部を補償する「GLTD(団体長期障害所得補償保険)制度」を扱うマーシュジャパンの加藤氏、西谷氏が、人事として押さえておきたいポイントを解説しながら、福利厚生制度のあり方や導入事例について語った。

労働人口減少による年齢分布の変化に潜む課題

マーシュが提供する主なサービスのうち、本講演では「従業員福利厚生制度の設計と運営」に焦点を当て、まず西谷氏が解説した。

「私たちのチームでは、各種保険手配の業務にとらわれず、コンサルティング業務から人事アウトソースや事務代行などさまざまなサービスを活用しながら、福利厚生、保健制度のサポートを行っています。

最初に、労働市場の未来からお話しします。データによると、労働人口は2050年には5275万人になると推計され、2020年に比べて約30%の減少です。副業の推進、フリーランスの活用、オートメーション化、AIの活用も進むと考えられますが、対応は容易ではありません」

これらの労働市場の変化は、福利厚生を考える上で大きなポイントとなり、福利厚生制度は転換期を迎えている。従業員の年齢構成は大きく変化し、定年延長、雇用延長を実施しても、20〜70歳の人口における50歳以上の割合は10年後に10%上昇し、49.0%になると試算されている。年齢構成の変化に加え、雇用の流動化、社会保障の脆弱(ぜいじゃく)化、人材の多様化、価値観の多様化が進んでいくことは避けられない背景がある。

「福利厚生制度は、従業員とその家族の生活の安定と向上、モチベーション、エンゲージメントの向上のために設けられています。例えば、寮・社宅支援、生活・就業支援、働き方支援、健康支援、リスクへの備えなどがありますが、『GLTD(団体長期障害所得補償保険)』は、リスクへの備えに該当します」

 

注:WEF Executive Opinion Survey 2023(全世界で11,098件の回答)。回答者は、今後2年間に自国にとって最大の脅威となると考えるリスクを5つまで選ぶことができる。 出典:世界経済フォーラム;マーシュ・マクレナン分析

福利厚生保険(GLTD)制度が必要とされている理由

2017年に傷病手当金を支給した件数は187万件。就労者の約50人に1人の割合で休職し、傷病手当金を受け取っているというデータを、西谷氏は取り上げた。内訳を見ると、メンタルと悪性新生物(がん)への罹患によるケースが多く、このリスクは年々高まりつつあると考えられる。しかし、備えはまだまだ行き届いておらず、企業として機会の提供を行っていく必要がある。

「働く目的には、報酬、働きやすさ、やりがい、キャリアなどが挙げられますが、これらを高めていくとエンゲージメントは向上すると考えられています。中でも一般的に優先順位が高いのは報酬ですが、仕事ができなくなったときの本人または家族にあたえる経済的なリスクインパクトは非常に大きくなることは言うまでもありません。ここをカバーするのがGLTDです」

厚生労働省によると、精神疾患を有する外来患者数は年々増加しており、5歳から64歳までの場合、2002年の約140万人が、2020年は約302万人へと2倍以上に増えている。

とりわけ、45-54歳のいわゆる管理職クラスにおける増加が顕著であり、全体の約3分の1を占めている。これは、働き方改革(長時間労働の是正と生産性の向上)のひずみとも捉えられており、深刻な状況だ。

この数字が企業活動に与える影響は大きい。出社はしているものの、何らかの心身の問題によってパフォーマンスが落ちている“プレゼンティーイズム”の状況にある従業員が増えてくると、組織自体の生産性に響く。加えて、その従業員が辞めてしまうと、新たな採用や育成も必要になる。場合によっては、訴訟に至るケースもある。

「“プレゼンティーイズム”が増えると、企業に関するネガティブな評価が広まり、企業の信用やブランド価値が低下しマーケットからの評価も落ちるという“レピュテーションリスク”の発生も考えられます。企業としてメンタルヘルス対策は欠かせません」

次に西谷氏は、国立がん研究センターがん情報サービスによる「がん統計」のグラフを示した。0歳から59歳のまでのがんの罹患(りかん)率は、男性7.7%、女性12.3%。これを69歳まで広げると、男性21.5%、女性21%となり、10年間で罹患率が男性は約3倍、女性は2倍近くに高まることがわかる。

「最近の調査によると、抗がん剤治療や放射線治療など治療期間の平均は500日以上、高額療養費制度を利用しても治療費の平均は100万円以上、また入院費や雑費を加えると、1度の治療にかかる総額は200~300万になると言われています。自分の家族はもちろん、自分の同僚や部下がこういった状況になったとき、会社としてできること、それがこのGLTD制度です」

出典:”Executive Opinion Survey(経営者意識調査)”から抜粋

【経済安全保障を通じて世界のリスクからビジネスを守る】 

世界で起こる経済のリスクや脅威から、どのように日本のビジネスを守るかというのは日本政府の大きな課題であり、そのため国家や経済社会全体を守るために経済安全保障は、重要なファクターといえます。

経済安全保障は、リスク管理という側面だけでなく、ビジネス戦略の一環として捉えられるべきであり、企業や技術に対する付加価値を高める機会でもあります。 

 

【産業技術基盤のリスクに対する対策】 

経済安全保障推進法は、2022年8月1日を皮切りに、2024年5月1日までに、重要物資・先端技術・基幹インフラ・特許出願に関して、それぞれ施行されました。国際情勢は2022年に入ってから更に厳しさを増しており、経済安全保障に関する産業技術基盤への脅威リスクが拡大しています。経済安全保障の実施には政府だけでなく、民間の企業や研究機関との連携が不可欠であり、産業技術基盤が多角化している昨今では適切な政策や規制が重要となります。 

日本では特に先進・先端技術(コンピューティング、クリーンテック、バイオテックなど)は、今後の経済発展に欠かせないものとされ、国家安全保障上も重要視されています。 

同時に、これらの技術には膨大な電力が必要であり、その電力供給源についても考える必要があります。さらに、自動運転やエネルギー効率の向上など、さまざまな課題に対応するためにも、エネルギーに対して高度な分析能力やシミュレーションが必要とされています。 

ビッグデータの分析やアーリーウォーニングは、経済社会の発展に不可欠であるため、政府と企業が連携のもとに、シナリオ分析やサプライチェーン分析を通じて、リスクを予測し、適切な対策を講じることが求められています。 

 

【経済安全保障の観点によるリスクのシナリオ分析の重要性】 

日本もAIや量子コンピューターの強みを軸に技術管理を徹底し、調達や投資の多角化を図りながら、戦略的な投資支援を行っています。経済安全保障は“ビジネスの制約”という視点だけでなく、“オポチュニティと”して捉えられるべきです。企業の上流から下流まで、さまざまな業界団体や企業が関わっているサプライチェーンでは、経済産業省や業界団体との連携、および対象企業や業界、地政学的な状況を把握することが鍵となるため、官民連携の対話を通じて、それぞれの目線を合わせることが必要です。その際には経済安全保障の観点による、リスクやシナリオ分析が重要なテーマとなります。 

また、セキュリティ・クリアランスを持った企業同士で情報を共有し、経済連携やフレンドシップの概念も重要となります。ビジネス上のライバルであっても困った時に助け合える信頼関係は今後の大きな強みとなるでしょう。 

 

【サプライチェーンの多角化など、国際情勢に合わせた対応が必要】 

サプライチェーンが寸断されないためのリスクシナリオを立てる際には、ESG投資や地政学への考慮、経済安全保障の視点でのファイナンスの構築も重要です。このような企業の取り組みは、国際情勢の変化に合わせて柔軟に対応すべきであり、特に技術ロードマップや資源の安定確保への重要な基盤となります。 

今後も外為法の輸出管理や投資管理、技術管理などの部分を中心に集中的に取り組み、フェアなサプライチェーンと市場ルールの確立に重点が置かれるでしょう。産業支援策も多く提案されており、各産業界との対話が重要視されています。政府が行うリスク分析も産業界との連携を通じて活用され、セキュリティ・クリアランス法案も成立しました。今後も政府と企業との戦略的な関係を築くために、さまざまな対話が行われる予定です。経済安全保障の推進は、日本の経済基盤の強化となるでしょう。 

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