Global Insurance Market Update

アジア保険市場 : 2022 第2 四半期

2022年4-6月期のアジア地域の保険料率は、1-3月期と同様に 3%上昇しました。

アジア保険市場: 2022年4-6月期の保険料は1-3月期と比べ、ほぼ横ばい

グローバルベースでの企業向け保険料は2022年4-6月期に9%上昇し、6四半期連続で緩やかな上昇ペースとなりました。

2022年4-6月期には、2022年1-3月期と同様に、保険料上昇率は、3%でした(図1参照)。フィリピンの総合的な保険料上昇率は14.2% となり(22.1%からの低下), 当四半期では最も大きな料率低下がみられました。

このインデックスは、マーシュ独自のグローバルベースでの企業向け保険料の保険更改時の変動指標であり、マーシュが取り扱う保険料の90%近くの保険料データが指標のベースとなっており、世界の主要保険市場の状況を映し出しています。

2022年4-6月期の地域別の保険料上昇率は次のとおりです。

  • アジア:3%
  • 米国:10%
  • 英国:11%
  • 欧州大陸: 6%
  • ラテンアメリカ: 5%
  • パシフィック地域: 7%

図 1: アジア保険市場における国別保険料の推移

アジアのトレンド

財物保険料は、2022年4-6月期に2%上昇し、15四半期連続の上昇となりました.  

  • リスクが高いとされる産業の顧客は、平均的に保険料上昇が高い状況です。
  • 巨額災害ゾーンにリスクが所在する顧客の保険料は、平均を上回る上昇率が続いています。
  • 中堅保険会社の多様化により、競争環境が改善したことが、顧客の利益となりました。

図2: アジア保険市場における国別保険料の推移-財物保険

賠償責任保険の保険料は、過去2四半期で2%上昇した後、横ばいとなりました

  • 損害成績が良好な顧客の保険料は概して横ばいとなり、損害成績が良好ではない顧客の保険料は上昇しました。
  • 保険会社のリスク選択により、厳しい状況の業界についてはキャパシティの縮小と保険料上昇となりました。
  • アジアの保険会社はエクセスレイヤーのキャパシティを制限しており、製品リコールや製造物賠償責任に関するリスクが顕著な課題となりました。

図 3: アジア保険市場における保険料の推移-賠償責任保険

金融・プロフェッショナル分野の保険料は、2022年1-3月期と同様に13%上昇しました。シンガポールでは24%の保険料上昇となり、2022年1-3月期の16%に比べ大きな上昇となりました。

  • D&O保険の上昇率は10%から15%であり、保有額は安定しています。

米国の上場企業と米国進出企業、および特定の国々や産業に対してのキャパシティの課題が残っています。

プライマリレイヤーの料率は引き続き厳しく、見積りに応じる市場はごくわずかでした。

  • 金融機関(FI)向け保険では、保険料上昇が緩やかになり始めましたが、保険会社は引き続き、キャパシティと保有額を慎重に管理しています。
  • 専門職業賠償責任保険(PI)は、アジアではまだ小さな市場であるものの、中小企業(SME)分野に対しての保険会社の引受意欲が高まり始めています。

より大規模で複雑なPIプログラムでは、平均10%~15%の範囲で保険料率が上昇しました。

通信・メディア・テクノロジー分野は、サイバー市場との融合が進み、キャパシティが選別される状況が継続します。

医療過誤部門への引受意欲は引き続き選別的でした。

  • サイバー保険市場は、引き続き、保険料上昇圧力を伴う厳しい市場環境、クレーム、システミック・リスクへの懸念、地政学的緊張、ランサムウェアの影響を受けました。保険会社は、それぞれのポートフォリオを成長させながら、サイバーリスクの管理を継続しました。効率的なコントロールにより損害が発生していない案件を含め、平均で25%から50%、あるいはそれ以上の範囲で、引き続き保険料率が上昇しました。
  • 保険会社はデジタル資産関連会社に警戒感を示しました。

保険会社は、暗号通貨サービスを直接または間接的に提供していなくても、分散型台帳技術を中央集権型ネットワークに導入している企業との関わりを警戒しました。

コールドストレージ補償はロンドン市場でより大きな取引がなされる傾向があり、保険会社はこれらのリスクのいくつかについてD&O保険を検討しましたが、サイバー、犯罪、および専門職業賠償責任保険(PI)への引受に対してはあまり意欲的ではありませんでした。

図4: アジア保険市場における国別保険料の推移-金融・プロフェッショナル分野の保険

棒グラフは、世界の保険会社の保険料の変化を表しています。