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Research And Briefings

アジアにおけるM&Aと表明保証保険の役割

 


アジアではプライベート・エクイティ(PE)ファンドを中心とする売り手がリコース(買い手に対する補償)を限定した形で投資企業を売却したいというニーズがあり、そうした際に、表明保証(Warranty & Indemnity / W&I)保険を利用するケースが、従来と比べて一般的になってきています。この種の保険のカバーがどのようなものか、保険請求事案が発生した際にどのように機能するかについて理解を深めておくことが肝要です。

W&I保険の仕組み

W&I保険は通常、買い手が自らの投資に対するリスクを軽減したい場合、ならびに売り手が取引後に生じる法的責任(補償義務)から自らを守りたい(法的責任を軽減したい)場合に利用されます。特にPEファンドが保有していた投資企業を売却するときに、取引に対してこの保険を付保するのが一般的です。

買収先の対象会社に予期しなかった問題が見つかり、新しいオーナーとなる買い手に損害が生じる場合、買い手が損失リスクを負わないために従来利用されてきた補償条項に替わるものが、このW&I保険です。

従来、買収先の対象会社に認識していない問題が発見され、株式譲渡契約書(SPA)の表明保証条項の違反が発生するときに備えて、売り手は一定の金額を一定の期間にわたり、エスクロー口座等に預託するというのが一般的でした。こうしてエスクローに預託された資金が、企業買収によって生じる損失を補てんするために使用されてきました。

ところが最近では、取引を開始する時点から、エスクローを完全にまたは部分的に代替するものとして、W&I保険の利用を前提とする案件なども増えてきています。買い手の立場としては、W&I保険を利用すれば、エスクローに預託された資金に頼らずに、売り手の表明保証違反に関わる補償上限を低く、補償の存続期間を短くするといった提案が可能です。従って、PEファンドは対象会社を売却後、より早期にファンドをクローズし、利益を投資家に還元することができます。

このような最近の傾向は、“sell buy flip”と呼ばれます。売り手は売却プロセスの早い段階から、マーシュなどの保険仲介業者(アジアでは一般に「保険ブローカー」と呼ばれる)と連携します。まず売り手は保険ブローカーを通じて保険マーケットにアプローチし、保険の活用を検討します。それと並行してSPAでは買い手に与えられる最初の補償請求手段はW&I保険とする旨が規定され、W&I保険加入を義務づけた要件が、初期のデューディリジェンス文書とともにデータルームに送られます。これにより、入札参加者は保険加入が必要であることを認識します。

買い手候補が独占権を獲得すると、保険仲介業者との連携はその買い手候補に「フリップ(=ひっくり返る)」し、売買契約締結日までに保険付保が完了するという流れになります。

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