物理的資産を保護するためには、まずご自身がさらされているさまざまな気候リスクと、それに伴う財務的影響を特定する必要があります。その上で、私たちはお客様と協力して、さまざまなレジリエンス対策、そのコストと効果、そしてリスクにさらされている資産現場での実施ロードマップを検討します。
マーシュはお客様の具体的なニーズに合わせて複数の気候リスクのモデリングを選定するとともに、最新のモデリング手法と現地でのリスクエンジニアリング調査を組み合わせることで、適切なレジリエンス強化策の特定と実装を支援します。
保険と適応策およびレジリエンス対策は相互に補完し合い、物的損害から事業を守ると同時に新たなビジネスチャンスを創出します。
ビジネスと人材をより適切にマネジメントするためには、慢性的及び急性的な物理的リスクを引き起こす現象が、業務プロセスと従業員にどのような影響を及ぼすのかを理解する必要があります。その上で、財務・戦略・計画面での様々な施策を検討し、事業への影響を低減していきます。例えば、気候条件の変化に応じた点検・検査体制の変更や、従業員の働き方自体を変えることが求められる場合もあります。
マーシュのグローバルリスクエンジニアリングチームは、マーシュグループの、人材および健康リスク分野のトップスペシャリストであるマーサーと協力し、支援を行っています。
異常気象の影響を従業員が受けた場合の補償や、事業中断に対する企業への補償を目的とした保険ソリューションを提供することが可能です。また、アドバイザリー・ワークフォース・ストラテジーチームは、職場環境・職務評価、規制要件への対応支援、ならびに職場の安全に関する課題に対処するためのリスクマネジメント戦略の構築を支援します。
多くの先進的な企業は、さまざまな緊急事態にどのように対応するかについて、あらかじめ計画を整備しています。しかし、気候が変化した環境下においても、それらの計画は本当に機能するのでしょうか。例えば、干ばつ時に火災対応に必要な水を確保できるのか、あるいは洪水発生時に緊急サービスが自社拠点へ到達できるのか、といった点が問われます
リスクエンジニアとBCPの専門家が、複数のシナリオに基づく緊急時対応計画の策定を支援し、被害の最小化を図ります。
サプライチェーンは気候変動の影響を受けやすい領域です。サプライチェーン上流での混乱は連鎖的に自社の事業運営に影響します。自社のサプライチェーンへの気候リスクを把握するには、サプライチェーン全体の構造、製品の流れ、潜在的なボトルネック、そして重要な部品が気候リスクによって途絶えた場合に事業に与える影響を可視化する必要があります。
マーシュの支援内容
マーシュは、最先端のSentRiskソリューションを活用し、お客様のサプライチェーンの可視化と分析に基づく新たな知見を提供するとともに、多様なリスクマネジメント・ソリューションを提案します。
お客様のバリューチェーンに位置する様々なサプライヤーのリスクレベルを特定し、適切なリスク転嫁プログラムを構築するお手伝いをいたします。これには、特定の気候変動に起因するサプライチェーンリスクに備えるため、コンティンジェント・ビジネス・インタラプション(CBI)補償と併せて、パラメトリック保険プログラムを設計することも含まれます。
ご存知ですか?
上流のサプライヤーが気候変動の影響を受けるのと同様に、下流に位置する顧客もまた影響を受け、その結果、購買行動に変化が生じる可能性があります。
マーシュの支援内容
主要顧客における物理的リスクを特定・評価することで、気候リスクが企業全体の収益に与える影響の軽減を支援します。
ご存知ですか?
物的被害による混乱は需要変動を引き起こす可能性があります。特に影響を受けやすい業種には、石油・ガス、不動産、小売、自動車・運輸、発電、農業などが挙げられます。
交通インフラは気候変動の影響を受けやすく、特に橋梁、高速道路、鉄道、港湾といった単一のインフラが損傷するだけで、輸送網全体の機能を停止させる可能性があります。
マーシュの支援内容
気候変動によって影響を受け得る主要な依存ポイント、それに伴う潜在的な混乱を把握することで、実効性のあるコンティンジェンシープラン(代替・対応計画)の策定を支援します。
ご存知ですか?
2018年にドイツのライン川で発生した極端な干ばつと熱波により船舶交通が大きく混乱し、化学メーカーBASFと鉄鋼メーカーのThyssenKruppは生産削減を余儀なくされました。この供給混乱によりドイツのGDPは約0.5%押し下げられたと推定されています(出典:Marsh)。
企業が事業活動の中で依存している資源や生態系サービスは、気象や気候の極端現象によって深刻な影響を受ける可能性があります。例えば熱波や干ばつは深刻な水不足を引き起こし、事業運営を阻害することがあります。また、農業資材の供給にも影響が及びます。企業は、自然環境に対する自社の依存関係や影響度を把握し、これらの要素を踏まえた適応策を検討する必要があります。
マーシュの支援内容
汚染の防止・回避などを含む、強固なエンタープラズ・リスク・リスクマネジメント(ERM)戦略の導入を通して、自然関連リスクから企業価値を守る支援を行っています。
資源の入手可能性や、主要原材料の原産地の持続可能性など、気候変動が事業戦略に及ぼす潜在的影響を特定します。例えば、「100%イタリア産原料を使用」といった訴求が持続的か、などです。
ご存知ですか?
2021年に台湾を襲った猛暑と干ばつにより、同国の電子産業は深刻な混乱に陥りました。ある大手半導体メーカーは干ばつ状況下で追加の給水車に2600万米ドル以上を支出しました。水供給の不確実性から、台湾から恒久的に拠点を移すことを検討・決定した半導体企業もあります(出典:Marsh)。
気候変動の影響が深刻化するにつれ、政府や規制当局は、気候変動の影響に関する情報開示や、その影響を是正・低減するための対応について、企業に対してより厳格な要件を課す可能性があります。これらの要件に適切に対応することで、主要なステークホルダーに対するコミットメントを示すことができ、取引先として選ばれる企業としての信頼を得ることができます。
マーシュの支援内容
開示要件*の変化や新たな政策動向(計画されている規制や法的責任)を踏まえ、事業に影響する重要要素を整理し、将来に備えた対応を支援します。
*気候リスクへの適応はますます重要なテーマとなっており、物理的リスクは既に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に包含されています。
ご存知でしたか?
170カ国以上が気候変動リスクへの適応に関する国家政策を有しています(出典:The London School of Economics and Political Science)。
自社が事業を展開し、また従業員が生活の場として属している地域コミュニティは、気候変動によって深刻な影響を受ける可能性があります。企業として自社事業への影響を把握するとともに、地域社会全体の適応策に積極的に関与することが重要です。
マーシュの支援内容
マーシュの適応策とレジリエンスに関する提言は、あらゆる段階で地域コミュニティへの配慮を重視しています。その一例がコミュニティベース災害保険(CBCI)です。これは、洪水における保険ソリューションが、コミュニティレベルでリスク低減のインセンティブを創出する方法を示すものです。
ご存知でしたか?
沿岸地域では洪水リスクが特に深刻化し、多くの沿岸沿いのコミュニティは存続の危機に直面しています。2050年までに、総人口8億人以上が居住する570の沿岸都市が海面上昇の影響を受けると予測されています(出典:Marsh)。
貴社の資本提供者(保険会社を含む)も物理的リスクから免れることはできません。気候変動が彼ら自身の事業に与える影響、および規制や情報開示要件は、貴社の事業に影響をもたらす可能性があります。
マーシュの支援内容
資本提供者の期待に適切に応えられるようサポートします。例えば、洪水に対するレジリエンス強化策の評価方法を標準化し環境・社会・ガバナンス(ESG)やグリーンファイナンスの枠組みに組み込むことで、資金を効果的に活用できるようにします。また、公共および民間事業の契約においてレジリエンス評価の重要性を高めることで、こうした取り組みを促進することも可能です。
ご存知でしたか?
事業がリスクにさらされていると評価されるほど、保険料は上昇する傾向にあります。カリフォルニア州では2018年から2021年にかけて、企業向け山火事保険料が300%増加するという顕著な事例が見られました(出典:Marsh)。
同社は、世界で15,000件を超える資産を保有するグローバル投資家であり、物理的レジリエンスおよびデューデリジェンス(DD)の標準化を目指していました。
同社の社内気候変動対策チームは、自社の戦略策定と事業で必要な報告書作成の裏付けのために、外部の技術的支援を必要としていました。
クライアントは、世界中で工場、オフィス、住宅、小売向け用地の開発や投資を行う企業でした。
同社は、気候リスクが高い地域におけるリスクを把握し、投資撤退(ディスインベストメント)戦略、保険プログラム、ならびに情報開示要件に反映させる必要がありました。
クライアントは、世界最大級の太陽光発電所を運営し、国内(および国外)気候変動対策計画において重要な役割を担っていました。
同社は、事業の継続性を確保し、エネルギー供給に関するコミットメントを果たすため、事業が直面する物理的なリスクを正しく把握する必要がありました。
本事例詳細はこちらをご覧ください。
同社は国際的な食品メーカーです。
欧州のある食品メーカーは、サプライヤーからの主要な農作物に対する短期的・長期的な供給リスクを把握する必要がありました。
クライアントは東南アジア同市場の企業向けに通信設備インフラを開発しています。
同社は複数の重要インフラ資産の脆弱性を把握する必要がありました。
気候変動への適応とは、企業が気候変動に伴う影響やリスクに対応するプロセスを指します。具体的には、脆弱性を低減し、レジリエンスを高めるための積極的な取り組みを通じて、気候変動による悪影響を最小化すると同時に、新たな機会を最大化することを目的としています。
保険担当者、リスクマネジャー、サステナビリティ責任者は、既に何らかの適応策に取り組まれているかもしれません。しかし、既存のプロセスをより包括的な戦略へと発展させる余地がある場合も少なくありません。
例えば、以下のような点は、まだ十分に実施されていない可能性があります。
サステナビリティ担当者は、通常、目標設定や情報開示を主な役割としていますが、適応を含む包括的な事業戦略を実行するには、組織全体の関与が不可欠です。